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JFS-B規格 Ver.3.1 改定解説|Ver.3.0からの変更点と実務対応のポイント
2026年10月8日、一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)は、JFS-B規格 Ver.3.1を公表しました。
今回の改定では、国際的な食品安全管理の考え方との整合が図られ、特にGMP 4「強化が必要な危害要因の管理、及び交差汚染と隔離」に関する要求事項が見直されています。
既にJFS-B適合証明を取得している事業者は、2027年12月31日までにVer.3.1への移行が必要です。
本記事では、Ver.3.0からの主な変更点と、食品製造事業者が確認しておきたい実務上のポイントを解説します。
JFS-B規格 Ver.3.1への改定の背景
今回の改定には、JFS-C規格 Ver.3.2やJFS-B Plus規格との整合、Codex委員会の「食品衛生の一般原則2022(CXC 1-1969, Rev.2022)」への対応という背景があります。
JFSMは、中小規模の食品製造事業者にも取り組みやすく、食品安全管理の有効性を高められる規格を目指して、要求事項とガイドラインを見直しています。
なお、近年注目されている食品安全文化と食品偽装防止対策については、独立した要求事項として追加されていません。既存の要求事項を効果的に運用するための取組として位置付けられ、ガイドラインで考え方や事例が紹介されています。
Ver.3.0からVer.3.1への主な変更点
今回の改定では、多くの要求事項で表現の統一や内容の明確化が行われています。
その中から、食品製造現場での確認・見直しにつながる主な変更点を整理しました。
| 項目 | Ver.3.0 | Ver.3.1 | 実務対応のポイント |
| HACCP手順1・2 適用範囲の特定 | 手順2でHACCPシステムの適用範囲を規定 | 手順1で適用範囲の特定を明確化。製品・製造ライン等ごとのHACCPプラン設定は推奨事項に変更 | HACCPシステムの適用範囲が明確になっているか確認する |
| GMP 4 強化が必要な危害要因の管理、及び交差汚染と隔離 | CCPで制御されず、GMP 4以外では有効な管理が困難な重要な危害要因を対象とし、汚染・交差汚染の防止手順を要求 | CCP以外で特に管理の強化が必要な危害要因への対応を明確化。汚染・交差汚染防止について、隔離を含む管理手段の確立と定期的な見直しを要求 | 危害要因分析の結果と既存のGMP管理を照合し、管理の強化や交差汚染防止策の見直しが必要か確認する |
特に注目したいのは、GMP 4の見直しです。HACCPの危害要因分析と一般衛生管理の関係が、より明確になっています。
GMP 4の改定と実務への影響
CCP以外で管理の強化が必要な危害要因への対応
Ver.3.0のGMP 4では、CCPで制御されず、他の要求事項では有効に管理することが困難な重要な危害要因の管理が規定されていました。
Ver.3.1では、HACCP手順6の危害要因分析の結果に基づき、CCP以外で特に管理の強化が必要な危害要因が存在する場合、管理手段を確立し、定期的に見直して有効に維持することが求められています。
これは、Codexの食品衛生の一般原則で示されている「より大きな注意(greater attention)」が必要なGHPの考え方に対応しています。
例えば、次のような管理が考えられます。
- アレルゲン管理: 製品切替時の洗浄方法や洗浄確認、原材料の取扱い、作業者の動線などの管理を強化する。
- 微生物管理: 加熱後の製品やそのまま喫食する食品について、製造環境、器具の洗浄・消毒、温度管理などを強化する。
これらはJFSMのガイドラインに示された考え方や事例に基づくものであり、すべての工場に同一の管理方法が求められるわけではありません。
実務上は、既存の危害要因分析を確認し、一般的なGMPで管理している危害要因の中に、管理の強化が必要なものがないか検討することが重要です。
ハザード分析上で、GMPで管理している工ハザードは「洗浄マニュアルに従った洗浄を行い、管理する」などの表現で、発生の可能性が低い、重要性は低いとなっていることが多いですが、実際に現場で洗い残しが起きやすかったり、日常のふき取り検査で結果が悪い傾向があるなど、失敗のしやすさは一律ではありません。
そのような自社の課題や弱点などを反映し、失敗した場合の製品への影響度も考慮し、重要性を決めることがハザード分析のポイントです。
交差汚染と隔離に関する要求事項
Ver.3.1では、物理的、化学的、アレルゲン、生物的な汚染を明示し、交差汚染(アレルゲンの交差接触を含む)を防止するため、隔離を含む必要な管理手段の確立を求めています。
隔離については、製造区域の区分だけでなく、原材料や仕掛品の保管、製造ラインの共用、作業者や器具の移動なども考慮する必要があります。
現在の管理方法が危害要因に対して有効か、製造工程や動線などを踏まえて確認しておくとよいでしょう。
既存のJFS-B適合証明取得事業者が確認すべきこと
Ver.3.1への移行に当たっては、JFSMが公開している新しい自己チェックリストなどを活用し、現在の管理体制との差異を確認することをお勧めします。
特に、以下の事項を確認しておきたいところです。
- HACCPシステムの適用範囲が明確になっているか。
- 危害要因分析の結果から、GMPによる管理の強化が必要な危害要因がないか。
- 交差汚染防止対策や隔離を含む管理手段が、現場の実態に合っているか。
- 設定した管理手段の有効性を適切に確認できているか。
既に適切な管理が行われている場合は、現在の仕組みを生かして対応できると考えられます。見直しが必要な部分を特定し、計画的に移行を進めることが重要です。
これからJFS-B適合証明取得を目指す事業者へ
新たにJFS-B適合証明の取得を目指す事業者は、Ver.3.1の要求事項とガイドラインを踏まえて食品安全管理体制を構築していくとよいでしょう。
JFS-B規格は、食品安全マネジメントシステム(FSM)、HACCP、適正製造規範(GMP)の3つの要素で構成されています。
特にHACCPプランの作成に当たっては、危害要因分析の結果と、それぞれの危害要因に対する管理手段を関連付けて検討することが重要です。
また、自社の製品や製造工程、施設・設備の状況に合った衛生管理の仕組みを構築することで、適合証明取得後の継続的な運用にもつながります。
まとめ|JFS-B規格 Ver.3.1への対応
今回の改定では、GMP 4を中心に、危害要因分析と一般衛生管理の関係が整理されました。
既存の適合証明取得事業者にとっては、現在の管理体制を確認し、必要に応じて管理方法を見直す機会となります。
株式会社SEITAでは、JFS-B適合証明の新規取得支援をはじめ、Ver.3.1への移行に伴う要求事項の確認、HACCPプランや衛生管理体制の見直しなどをサポートしています。
JFS-B規格への対応についてお困りの際は、お気軽にご相談ください。
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