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SQF第10版の変更点と対応ポイント|移行準備で見直すべき文書・取り組みを解説
SQF第10版が2026年3月に公表されました。2027年からの審査は第10版での審査が予定されているため、すでに第9版で認証を取得している企業で、次回の審査が2027年以降になる組織は、計画的に改訂の内容を確認し、どの文書を見直し、どのような運用を整えるべきかを早めに確認しておきましょう。
また、これからSQF認証の取得を検討している企業にとっても、審査が2027年以降になる場合は、第10版の要求事項に従って仕組みを構築する必要があります。
SQF第10版では、食品安全文化、マネジメントレビュー、月次報告、是正処置、変更管理、GMPに関するリスク評価など、食品安全マネジメントシステムを実際に機能させるための要求がより明確になっています。
この記事では、SQF第10版への移行対応や新規認証取得を検討している食品メーカー向けに、見直しが必要になりやすい文書と、実施すべき取り組みの概要を整理します。
SQF第10版とは
SQFは、Safe Quality Foodの略で、GFSIに承認された食品安全認証スキームの一つです。食品製造、一次生産、包装資材、保管・物流など、食品サプライチェーンのさまざまな業種を対象としています。第9版からの改訂ポイントとしては、食品安全マネジメントシステムの実効性をより重視する内容になっています。特に、食品安全文化、リスクベースの管理、重要な要求事項への対応、是正処置の有効性、現場での運用確認などがポイントになります。
主に以下のような文書・仕組みの見直しが必要になります。
- ▪SQFマニュアル
- ▪食品安全方針
- ▪食品安全文化評価計画
- ▪食品安全目標とパフォーマンス指標
- ▪マネジメントレビュー手順
- ▪月次報告の仕組み
- ▪苦情管理手順
- ▪是正処置・予防処置手順
- ▪根本原因分析の記録様式
- ▪変更管理手順
- ▪内部監査手順
- ▪教育訓練計画
- ▪GMP関連のリスク評価
- ▪食品安全計画
- ▪承認サプライヤープログラム
- ▪アレルゲン管理
- ▪環境モニタリング
- ▪食品防御・食品偽装対策
既存認証企業がまず確認すべきこと
すでにSQF第9版で認証を取得している企業は、第10版で新たに追加された要求事項と、実務上の対応が強化された項目を優先して確認する必要があります。特に、食品安全文化評価計画、月次報告、マネジメントレビュー、SQFプラクティショナーの責任、GMPリスク評価は早めに整理しておきたいポイントです。
食品安全文化評価計画
食品安全文化評価計画の文書化、実施、維持が求められます。計画には、コミュニケーション戦略、管理層を含む全従業員への教育訓練、従業員からのフィードバックを収集・対応する仕組み、食品安全関連活動の測定と評価を含める必要があります。食品安全方針、食品安全目標、教育訓練、朝礼、品質会議、ヒヤリハット報告、従業員アンケートなどを確認し、食品安全文化評価計画として説明できる形に整理します。実施している活動があっても、目的、対象者、頻度、評価方法が不明確な場合は見直しが必要です。
食品安全目標とパフォーマンス指標
食品安全目標とパフォーマンス指標を文書化し、全従業員に伝達することが明確化されています。目標は「食品事故ゼロ」のようなスローガンだけでなく、達成状況を確認できる指標にすることが重要です。たとえば、表示ミス件数、異物混入件数、CCP逸脱件数、内部監査指摘件数、是正処置の期限内完了率、教育訓練実施率、ヒヤリハット報告件数などが考えられます。
月次報告とマネジメントレビュー
管理層へ月次で報告する内容が具体化されています。CCP逸脱、表示変更、規制上の問題、悪影響のある傾向、是正処置、内部監査・外部監査の結果、食品安全に関する苦情などを報告できる仕組みが必要です。年次のマネジメントレビューでは、食品安全文化評価計画の達成状況、食品安全目標の達成状況、年次システムテストの結果、苦情や監査結果の傾向、リコールや規制問題、危害分析やリスク評価の更新状況などを確認できるよう、議事録様式を見直します。
SQFプラクティショナーと代理者の責任
SQFプラクティショナーの責任と権限がより具体化されています。特に、重要な食品安全上の問題をサイト管理層へエスカレーションする責任、年次マネジメントレビューと月次報告への参加、SQFロゴの管理、監査実施期間開始の少なくとも90日前までのブラックアウト期間の提供などを確認する必要があります。任命書、職務記述書、組織図、力量評価表、教育訓練記録を見直します。代理者が実際にSQFシステムを説明できる状態かも確認しておきましょう。
GMPリスク評価
食品製造のGMP要求事項では、リスク評価の整理が重要になります。サイト環境、衣類・髪型・装飾品、一時保管区域、ダクト・導管・天井配管など、製品安全に影響する可能性がある項目を評価し、年次または変更時に見直す必要があります。既存の一般衛生管理点検や食品衛生7S活動で確認している内容でも、リスク評価として文書化されていない場合があります。どのようなリスクがあり、どの管理措置で低減しているかを説明できる形に整理することが重要です。まずは、食品安全文化評価計画、食品安全目標、月次報告、マネジメントレビュー、SQFプラクティショナーの任命・力量記録、GMPリスク評価表、内部監査チェックリストを優先して確認すると進めやすくなります。
新規取得企業は、現在の管理とのギャップ分析から始める
これからSQF認証取得を目指す企業は、最初に現在行っている衛生管理・品質管理と、SQF第10版の要求事項との差を確認することが重要です。SQF認証を取得していない企業でも、食品メーカーであれば、HACCPに沿った衛生管理、一般衛生管理、清掃・点検、原材料管理、クレーム対応、トレース、表示確認、教育訓練など、何らかの食品安全・品質管理は行っているはずです。
また、ISO 22000、FSSC 22000、JFS-B/JFS-C、自治体HACCP、取引先監査などに対応している企業では、既存の文書や記録をSQF認証取得に活用できる場合があります。すべてを新しく作り直すのではなく、既存の仕組みを確認し、不足している部分をSQF要求事項に合わせて補う進め方が現実的であり、構築にかかる費用や時間の削減にもつながります。
ギャップ分析では、まず認証範囲を明確にします。対象となる製品、工程、施設、保管、出荷、外部委託の範囲を整理したうえで、現在の文書・記録・運用がSQF第10版の要求事項にどこまで対応できているかを確認します。特に確認したいのは、食品安全方針、食品安全文化評価計画、食品安全目標、HACCPに基づく食品安全計画、承認サプライヤープログラム、アレルゲン管理、環境モニタリング、食品防御、食品偽装、変更管理、内部監査、CAPA、マネジメントレビューなどです。
SQF特有の点として、主担当および代理のSQFプラクティショナーを指定する必要があります。第10版では、SQFシステムの構築、実施、レビュー、維持を監督することに加え、重要な食品安全上の問題をサイト管理層へエスカレーションすること、マネジメントレビューや月次報告へ参加することも明確化されています。また、主担当および代理のSQFプラクティショナーには、HACCPに基づくトレーニングコースを修了していること、食品安全計画を実施・維持する能力を有していることが求められます。ISO 22000、FSSC 22000、JFS-Bでも食品安全に関わる力量は求められますが、SQFではHACCPトレーニングコースの修了が明記されている点に注意が必要です。認証機関等が実施するSQFプラクティショナーコースの受講自体が、要求事項として必須と明記されているわけではありません。ただし、SQFコードの構成、審査で確認されやすいポイント、プラクティショナーに求められる役割を理解するうえでは、実務上、SQFプラクティショナーコースや関連研修を受講しておくことが有効です。新規取得を目指す場合は、構築スケジュールの早い段階で研修日程を確認し、主担当者と代理者が計画的に受講できるよう準備しておくとよいでしょう。
SQFではFSSC22000やJFS-Bなどと異なり、審査結果がスコアで示されます。第10版からはCore Clauseが導入され、食品安全上重要な領域の不適合は、通常の不適合より重く評価されるため、食品安全計画、承認サプライヤープログラム、アレルゲン管理、環境モニタリング、CAPA、清掃・サニテーションなどは、文書と運用の両面で重点的に確認しておく必要があります。
ギャップ分析の結果、既存の仕組みで活用できるもの、不足している文書、運用はあるが記録が弱いもの、現場では実施しているが手順化されていないものを整理します。そのうえで、必要な文書作成、記録様式の整備、教育訓練、内部監査、模擬審査へ進めると、無理なくSQF認証取得の準備を進めやすくなります。
SQF第10版対応・SQF認証取得支援について
株式会社SEITAでは、食品メーカー向けにSQF第10版への移行対応支援およびSQF認証取得支援を行っています。
SQF認証取得済みの組織に対しては、第9版から第10版への文書改訂、食品安全文化評価計画の整備、マネジメントレビュー・月次報告の見直し、CAPA・変更管理の改善、内部監査チェックリストの見直しなどを支援します。
これからSQF認証取得を目指す企業に対しては、認証範囲の整理、必要文書の作成、食品安全計画の整備、一般衛生管理の見直し、内部監査、従業員教育、審査前の準備まで、食品工場の実務に合わせてサポートします。
SQF第10版への対応やSQF認証取得をご検討の食品メーカー様は、まずはお気軽にご相談ください。
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